【原創】カレと48時間逃亡するCD「クリミナーレ! 」Vol.5 ネロ CV.平川大輔［本篇台本翻訳無］

Civi0 · 发表于 2015-3-9 21:44:55

本帖最后由 Civien 于 2015-4-29 09:47 编辑

若有失误还请大家多多包涵～m(_ _)m

00：Scorta

午後３時ローマ郊外。いや、今帰り？ふふ、久しぶり。３日ぶりだね。元気？こっちはまあまあかな。ふふ、一緒に帰ろう。どうせ家は同じ方向だし。この３日間何もなかった？いや、君に何かあったらと思ったら、気が気じゃなくて。君の近所に引っ越してきてもう１０年くらい経つけど、毎日のように会ってたからさ。仕事で忙しかったとは言え、心配で。うん、今ちょっと忙しいんだ。急な仕事が入ってね。人を探してるんだよ。大変ってほどじゃないけど、ただ君に会える日が減ると思うと辛い。会えない時間耐えられるかな。冗談なんかじゃないって。俺は本気だよ。本当は１秒だって離れたくないんだから。ん？今の気配。ごめん。ちょっとだけ回り道して帰ろう。事情を説明してる暇はない。お願いだから、ね。遅れずついてきてね。君はこんな路地来たことないだろう？逸れたら一巻の終わりだよ。ダメ、振り向かないで。分かってる、誰かついてきてるのは。でも、気付かないフリをして。心配要らないよ。怖くないから。俺にくっついてるんだ。ほら、そこの角、曲がれよ。君はここにいて。来た。もう一人。当たるか！この程度で俺を狙うな。家に帰って、ママの作ったチェリーパイでも食べてなよ。大丈夫だった？もう出てきてもいいよ。ん？どうしたの？そんなに驚いた顔をして。ああ、こんなことする姿初めて見せたもんね。ごめん、君のことを巻き込んじゃったけど、付けられたまま帰るのも危なそうだったから。此奴らの素(xing)を洗ったら、すぐ家まで送るよ。少し待っててね。この盾、やっぱり。もしもし、こちらネロ。今一人仕留めたよ。確かめたけど、肌にファミリーの印がある。間違いない、連中だね。どうして今さら俺を狙ったのかは分からない。俺を片付ける暇があったら、ファーザーの娘さんを探しに行くはずだし。あっ、まさか…いや、また報告するよ。ね、ちょっと聞きたいんだけど。君、小さい頃からずっと大切に持っているもの、何かない？そのブレスレット少し見てもいい？紋章が入ってる。じゃ、君が…彼奴らが付けていたのは俺じゃなくて、君。そっか。君だったんだ。なんだ、こんなに近くにいたなんて。残念だけど、家には帰れなくなっちゃったね。ん？大丈夫。ただの手錠だよ。痛くしないから、動かないで。あとはもう片方を俺に。うん、これで俺たちは離れられないね。どうしたの？震えてるの？怖がらなくていいよ。君をこのまま安全な場所へ連れていってあげる。だって、君は俺の探していたファーザーの娘さんだから。

01：Legittima difesa

午後４時ローマ市街、１時間経過。ふふ、君と午後の街を歩くのは初めてじゃないのに、なんだかわくわくする。ね、さっきからどうしたの？随分顔色が悪いけど。ああ、こら、ダメだよ、離れちゃ。ほら、こっちに来て。もっと俺にくっついてよ。手錠があるから、遠くへなんて行けないのに。それとも、寄りたいお店でもあった？君がいつも立ち寄るジェラテリアでも行こうか。そりゃあ君のことなら、何でも知ってるよ。好きなジェラートも映画も音楽も、先週末の夜８時４５分リビングのソファーに寝転んでナポリピザを摘みながら、テレビでセリエＡの試合を見てたことまで全部。ね、ジェラート、食べたい？君が行くなら、俺はどこへでもついていくよ。おっ。ん？変って、何が？俺はいつも通りだよ。まあ、いつもより気分はいいけど。だって、ようやく君に隠さずに済むんだから。ずっと黙って、仲の良いご近所さんでいたけどね。俺が君の近所に引っ越してきたのは偶然なんかじゃない。仕事だったんだ。俺はマフィアなんだよ。アンフィスバエナの清掃屋、ネロ。アンフィスバエナっていう巨大マフィア、その一員なんだ。そう、殺しでも密売でも裏社会の仕事なら、何でもやってる。その仕事の一つとしてね、俺だけに託されていた任務があるんだ。それが君を監視すること。ずっとね、君の様子を見守ってファーザーに、俺たちのボスに報告するっていう仕事を任されていたんだよ。理由は知らされていなかったけど、ようやく分かった。君がファーザーの一人娘だったからだ。そうだよ。君のお父さんはマフィアのボスだったんだ。驚くのは無理もないけど、本当のことだよ。君がお母さんと二人暮らしなのは知ってる。お父さんを小さい頃に亡くしたっていうのも。そのお父さんが実は俺たちのボスだった。死んだっていうのはフェイクだったんだよ。まだ信じられない？まあ、無理もないか。俺もブレスレットの刻印を見るまで分からなかったし。ずっと見守ってきた女の子が俺たちの大切なお嬢さんだったなんて。ふふ、本当に驚いたな。でも、そのおかげで素(xing)を明かせた。君と距離を取る必要もなくなった。１０年近く君を見てきたけど、こんなにそばで観察したのは初めてだよ。君って、耳の形、綺麗だよね。今なぞってるここ、曲線が滑らかだ。ああ、耳朶も柔らかい。ふふ、可愛い。っ、どうしたの？それ以上は離れられないよ。手錠があるんだから。ほら、いい子だから、俺のそばにちゃんといて。ん？ダメだよ。手錠は外せない。これからアジトへ君を連れ帰るんだから。でも、殴って気絶させて運ぶのは嫌だし、ロープでぐるぐる巻きにするのも可哀相だし。手錠が一番優しくエスコートできるだろう？それに、この冷たい金属で君と繋がってるかと思うと、嬉しくなるんだよね。さあ、一緒に帰ろう、俺たちのアジトへ。着いた後もちゃんとそばにいてあげるから、ね。しーっ、静かに。今物   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に隠れたけど、間違いない。追っ手だ。今度は３人。逃げても、どうせ追いかけてくるな。ここで仕留めないと。ついてきて。

午後５時ローマ郊外入り組んだ路地、２時間経過。こっちだ。しばらく建物の   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に隠れていよう。大丈夫。この辺りは迷路みたいな道だから、簡単には見つからないよ。仕事柄俺には慣れた場所だけど。それにしても、町中なのに発砲するなんて相変わらず掟を守らない連中だな。あの男たちは敵対するマフィアの一員だよ。君の命を狙ってる。理由はあまり君には知ってほしくないんだけど。ファーザーは、君のお父さんはね、先日亡くなったんだ。その時に分かったんだよ、君の存在が。血の繋がった娘である君は特別な存在だ。次のファーザーを選ぶ権利を持ってる。もし奴らに捕まれば、殺される。殺されないまでも、利用はされると思う。ファーザーはいつかこんな日が来るって分かっていたんだろうね。その時のために俺は幼い頃から君の近くにいたんだ。っ、来たね。威嚇射撃で俺たちを炙り出すつもりみたい。君に弾が当たったら困るね。抱えてあげるから、しっかり掴まってて。大丈夫だよ。いい子だから、落ちないように腕を回して。ふふ、震えてる君も可愛いな。ああ、心配しないで、ちゃんと守ってあげるから。今だ。まずは一人。二人目。こんな狭い路地で銃が効くはずないのに。隠れる場所はいくらでもあるんだから。大丈夫、こっちから回り込む。どこを見てるんだ。こっちだ。３人とも伸びちゃったね。もう大丈夫だよ。はい、下ろしてあげるね。おっと、足がふらついちゃった？ふふ、君からしがみついてくれるなんて嬉しいな。密着していると、体温や心臓の音が伝わってくるね。頬も熱くなってるね。首筋も。ね、これからも遠慮せず倒れていいよ。何度でも何度でも受け止めてあげる。っ、どうしたの？逃げなくてもいいのに。ほら、俺の腕の中においで。もう怖い奴らは倒したのに、なんで怯えてるの？いい子だから…っ、危ない！お嬢さん！このっ！気絶していると思ったのに。大丈夫？ね。腕を掠めただけか。そうか、よかっ…よく…ないよ。血が出てる。君の綺麗な肌から血が…許さない、絶対に。絶対に。よくもうちのお嬢さんに傷を付けてくれたな。骨を砕くくらいじゃ、気が済まない。顔の原形が分からなくなるまで、内臓が破裂して身体中の血が流れ出すまで痛め付けてやる。許さない、許さない、許さない。この子を傷付ける奴は皆殺してやる。っ。なに、どうしたの？急にしがみついて。ダメだよ。この男は気絶しているだけだから、こんなものじゃまだ足りないよ。だって、俺の大切なお嬢さんに傷を付けたんだから。っ、ど、どうしたの？撃たれたところ痛むの？ごめん。こんな奴より君の手当てが先だった。大丈夫だよ。すぐに癒してあげるから。さあ、こっちへおいで。あんな男たち気にする必要ないよ。あとで仲間を呼んで犬の餌にでもしといてもらうから。ほら、早く行こう。

03：Trattamento

午後６時ローマ郊外地下のセーフハウス、３時間経過。そこのソファーにかけてくれる？埃ぽっくてごめんね。ここはアンフィスバエナが所有するセーフハウスだよ。って言っても古い建物であちこち老朽化してるから、今はほとんど使われていないけど。さあ、腕を出して。袖、破るよ。ああ、擦り傷とは言え、君の腕だと思うと痛ましい。早く処置しないと、血が出てる。あっ、ダメだよ。じっとして。この建物は古くて、水道も止まってるんだ。ほかに方法がないんだよ。だから…うん、綺麗になったね。君の透けるような肌が戻ってきた。包帯を巻いておくよ。痕は残らないと思う。これでよし。ごめんね。もう傷付けさせたりしないよ。彼奴らがまたやってきても、全部俺が処分してあげる。君を壊そうとする奴はミキサーで砕いて、トレビの泉にでも撒いておくから。誰にも触れさせないよ。俺以外誰にも。どうしたの？顔が真っ青だよ。指もこんなに震えて。いきなり銃で撃たれて、怖かったんだね。そうじゃないって、何が？嫌だな。変なところなんて何もないよ。俺はいつも通り、そうだろう？それより、君の笑顔が戻らないのが心配だよ。ほら、いつもみたいに笑って。小さい頃泣いている君をお母さんがこうやって慰めていたよね。ずっと見てたから、知ってるよ。泣きじゃくる姿も可愛かったけど、笑っていてほしいから。頰が柔らかい。ふふ、思った通りだ。君ってジェラートみたいに甘くって、口に含んだら溶けて消えそうだね。唇も震えてる。可哀相に。今止めてあげるからね。まだ足りないかな。あっ、ダメだよ、暴れちゃ。傷口が開く。こら。このまま横になって、いい子にしているんだよ。動くと手錠も擦れるし、余計に傷が増えてしまう。ん？手錠を外すことはできないよ。だって、離れ離れになっちゃうじゃないか。せっかく君と繋がれたんだ。もう絶対に離れないよ。こら、動かない。仕方ないな。君が傷付いたら困るから、こっちの腕は固定しようか。俺の腕と一緒に鎖で巻いておけば、いいかな。うん、できた。片腕だけ君とぴったりくっついちゃったね。手も繋ごうか。指同士を絡めて。こうやって隙間もなく触れ合えるっていいな。体を近付ければ、君の顔もこんなに近くから見られる。この距離で話すと息が触れ合うね。君の呼吸が速くなってるのも分かる。心臓も随分速く動いてる。ほら、首のここに触れると脈拍がよく分かるんだよ。君の首って折れそうだから、優しく撫でないとね。ああ、少し擦り剥いてる。気付かなかった。ん？ふふ、動けない？よかった、鎖で固定しておいて。ね、ほかに怪我はしてない？痛かったら、舐めてあげるよ。痛くないなら、安心だけど。顔が青ざめたままだね。震えも止まってないし。右手も冷たいな。温めないと。ん？くすぐったかった？全部の指を温めるまで我慢してね。頬も冷え切ってる。耳も。温めてるのに、顔色が戻らない。もっと身体中触れないとダメかな。動いちゃダメだよ。いつもの元気で明るくて優しい君に戻るまで。君は俺のすべてだから。誰にも汚させたりしないよ。ああ、やっと体に熱が戻ってきたみたいだ。もう大丈夫そうかな。ふふ、抱き締めると熱いね。ん？どうしたの？体に力が入ってないよ。ああ、逃げ続けて疲れたのかな。暗い中の移動は危険だし、ここで一晩休んでいこうか。寒くないようにこのまま抱き付いているから。安心していいよ。ふふ、君とぴったりくっついたまま眠ったら、いい夢が見られそう。大丈夫。眠っている間も絶対にそばを離れないから。はい、こちらネロ。ああ、無事だよ。連絡ができなくてごめん。大丈夫。ファーザーの娘さんは保護したから。日が昇ったら、本拠地へ戻るよ。えっ、何かあったのか？っ、そんな。まさか。分かった。すぐに彼女を連れて、ローマを出る。そっちは任せたからね。じゃ、また。おはよう。まだ日は昇ってないけどね。こんな時間だけど、移動しなきゃならなくなった。鎖は解くから、歩ける。仲間から連絡があったんだ。あいにくいい話じゃないけど。ああ、大丈夫。最悪な話ってわけでもない。まあ、ましなほうだよ。このローマに爆弾が仕掛けられた。

14：Tutto di me

午前５時ローマ郊外、１４時間経過。まだ眠い？ごめんね。本当はもっとゆっくり寝かせてあげたかったんだけど。どうやら奴ら俺たちに正面から挑んでも敵わないと思ったみたいでね。この広いローマのどこかに爆弾を仕掛けたらしい。爆発予告時刻は明日の１５時、あと３５時間後。それまでに君を差し出さなければ、一般市民が巻き添えってわけだ。素人を巻き込むなんていかれた話だよ。ああ、もちろん君を引き渡したりはしないよ。大丈夫。爆弾なら、詳しい人が仲間内にいるんだ。見つけたら、すぐ解体できる。見つけられなくても、奴らの一人でも捕まえれば在り処を吐かせるよ。ただ確実にローマがごたつく。だから、俺たちは逃げよう。万が一に備えて君を安全な場所へ連れ出すよ。ふふ、しばらくは二人っきりだね。あっ、どうしたの？立ち止まってちゃダメだよ。連中に勘付かれる前に移動しないと。どうして俺から逃げるの？いい子だから、一緒においで。怯えなくても大丈夫だよ。何があっても俺がそばにいてあげるから。お嬢さん、ひょっとして俺を怖がってるの？っ。空気の読めない奴らだな。囲まれちゃったね。ちょっと出発するのが遅かったかな。そばに来て、また抱え上げるから。合図したら俺に抱き付いて。こっちは丸腰なのに、銃を向けるなんて随分だな。お嬢さんを渡せって、嫌だと言ったら？そんな威嚇で脅したつもりか。俺は蜂の巣にされたって、彼女を守るし。必ずお前たちをずたずたにする。撃ちたいなら、撃ってみろよ。ほら、ビーンズの缶詰を開けるより簡単だろう。なんで怖気付いてるんだ？っと、お嬢さん、こっちへ。行くよ。このっ！あと一人。痛っ…ごめん。肩をやられた。さすがに全部避けるなんて映画みたいなことできないか。くっ…平気。血は出てるけど、軽傷だよ。それより、君は大丈夫だったよね。よかった。また君に傷が増えたら、どうしようかと思った。ん？顔が真っ青だよ。どうしたのさ。えっ。ちょっ、それ、君のハンカチ。包帯代わりなんてもったいないよ。ダメだって、触ったら血が付いてしまう。手当てなんて要らないよ、君が汚れるくらいなら。はは、心配しなくても、俺は大丈夫だよ。どうなろうとも。何なら、死んだっていいんだ。君さえ守れれば、それで。っ、な、なんで怒ってるの？冗談で言ってるんじゃない。本心だ。誰にも、俺自身にも君を汚されたくないんだよ。俺の命よりよっぽど大切なことなんだ。君は俺の憧れだから。ずっとね、君を見ていた。幼い頃からずっと。毎日死体ばかりに触れる生活で君だけが眩しいくらい綺麗な存在だった。知らない？俺の仕事、清掃屋。死体回収とか裏切り者の始末なんかを受け持ってる仕事。組織の中ではハイエナって呼ばれてる。誰もが忌み嫌う仕事だよ。組織の人間でさえも。俺をまともな目で見る奴なんかいない。でも、君は突然引っ越してきた俺にも優しく笑いかけてくれたよね。嬉しかった。それから毎日のように君に顔を見せるようになった。いつだって、君は笑いかけてくれた。どんなにこの手が汚れても。君だけは変わらず綺麗なままだった。君を監視していたのはもちろん任務だった。でもそれだけじゃなくて、守りたかったんだよ。俺が絶対に手に入れられない幸せそうな日常を。君の命を狙う者は排除する。君の身が傷付けられることがないよう監視する。それが俺の役目、俺の人生。君という存在は俺の…俺の…すべてなんだ。どうしたの？そんな顔して。そうだよ。俺は君を守るためにそばにいる。ずっとそう言ってたじゃないか。ひょっとして信じてもらえてなかった？だから怖がってたの？俺のことを。車が来る。彼奴らの仲間だ。ハエよりもタチが悪いな。追い払っても切りがない。あれだけの人数、どこから掻き集めるんだ。俺がやるしかないか。っ、どうしたの？お嬢さん。ダメって言われても、じっとしてたって見つかるだけだよ。えっ、車を奪って逃げるってこと？さっきの奴らが乗ってきた車に？俺と一緒に来てくれるの？いいの？だって…言ってる場合じゃないか。分かった。行こう。こんなところで立ち止まっていられない。よし、走らせるよ。

15：Incompetente

はい、カプチーノでよかったよね。少しでも飲んでおいたほうがいいよ。気分が落ち着くから。なんとかローマを出られたね。まあ、のんびり街を眺めている暇はないけど。少ししたら、また走らせなきゃね。ひとまずフィレンツェくらいまで移動しよう。ここじゃまだ追い付かれる。きっと奴らはどこまでも追いかけてくると思う。爆弾が仕掛けられている以上、こっちの仲間たちはローマから手が離せない。ローマを離れるほど、俺たちは仲間から断絶される。それでも、今は逃げるしかない。爆発予告の時間まであと３３時間、それまでに皆が爆弾を処理してくれるのを信じよう。君には俺がついているから、安心して。本当に安心してくれてる？いや、ローマを出る時嫌がってたから、俺と一緒に来るのを。どうしてついてくる気になったの？俺の身の上話なんて聞いても楽しくなかったと思うけど。それで少しでも信用してくれたのなら、知りたいことは全部教えるよ。君になら、何を隠すこともない。車に戻ろう。走りながら、話すよ。俺には弟がいるんだけど、孤児だった俺たちはアンフィスバエナに拾われて育ったんだ。マッキナって言葉、知ってる？どんなコマンドでも完璧にこなす機械のような工作員。俺たち二人は実験的にマッキナとしての教育を施されたんだ。優秀な工作員に育つようにって。でも、その試みは失敗に終わった。施設を扱っていた幹部がとんでもない人間で、俺も弟もひどい目に遭わされた。ファーザーが気付いた時には遅かったよ。二人とも人として何かがおかしくなってしまった。自分ではよく分かってないんだけどね。俺たちは言わば出来損ないのジャンクだ。その処遇に幹部たちは頭を悩ませた。もう殺すくらいしか方法はなかった。その時ファーザーが声をかけてくれたんだよ。清掃屋として正式にファミリーに入らないかって。その言葉がなければ、今俺はここにいない。ファーザーは用無しの俺にも居場所を与えてくれた。感謝してるよ、心から。これが俺の生い立ちだよ。後は話した通り、君の監視役になって、ずっと君を見て育ってきた。まさかファーザーのお嬢さんだったなんて知らないままずっとね。それでも、君の存在だけが支えだったんだ。もちろん今も、きっとこれから先も。やっぱり楽しくもない話だったよね。そっか。それなら、よかった。今さらだけど、少し似てるかもしれない。君とファーザーって。そうやって真剣な顔してる時とか、特に。そっか。お父さんとは会ったことないんだっけ。小さい頃に死んだって聞かされてたんだもんね。悲しそうな顔しないで。お父さんに捨てられたなんて思っているなら、違うよ。ファーザーはね、君を裏社会の抗争に巻き込みたくなかったんだと思う。だから、縁を切って、君と接触を断ったんだ。分かるよ。そうじゃなきゃ、俺が君を見守るわけがない。何百人ものマフィアを束ねるファーザーだよ。そんな人がわざわざ命令を下したんだ。たった一人の女の子のために。君のお父さんは娘思いの優しい人だよ。えっ。あ…ううん、お礼を言われるなんて思わなかったから。うわ！危なかった。ごめん。余所見運転してた。ちょっと意外だったから。なんだろう、嬉しいはずなんだけど、変な気分だ。車はここに乗り捨てていこう。長く乗っていると、見つかる可能(xing)も高くなる。この後はひとまず仲間からの連絡を待とうか。ローマはどうなったかな。あと３０時間、早く爆弾が見つかるといいんだけど。不安？偉いね。でも怖かったら、無理しなくていいんだよ。そのために俺がそばにいるんだから。っ…ううん、その…感謝してくれるのは嬉しいんだけど、なんだか落ち着かなくて。なんでだろうね。ああ、そっか。君の笑う顔をずっと遠くから見てきたけど、俺に向けられた笑顔は初めて見たんだ。えっ、どうしたの？後ろ？くっ！…あ…くっ…油断した。やめろ…この子には…手を…出すな…

??：Nel tronco

時刻不明、暗く狭い空間、経過時間不明。気が付いた？よかった。このまま目覚めなかったらどうしようかと思った。あまり動かないで。と言うか、動けないと思う。俺も寝返りを打つのさえきつい状態だから。暗くて何も見えないけど、多分車のトランクの中だ。きっと気絶させられた後、閉じ込められたんだ。持ち物も全部奪われたみたい。スマホがないから、現在地も確認できない。どこに連れて行かれるんだろうね。奴らのアジトか、それともこのまま海にでも沈められるのか。怖い？平気には思えないよ。これだけくっついていれば、体の震えが伝わってくるし。俺が抱き締めてあげる。だから、心配しないで。っ、ごめん。驚いたよね、いきなり触ったから。君が嫌なら、触らない。何もしないよ。ごめん。何かしゃべってくれないかな。何でもいいから。エンジン音は聞こえるけど、人の声がしないのは落ち着かなくて。どうかした？ふふ、バレちゃった。そうなんだ。実はさっきから俺も震えてて。ここにいると昔のことを思い出しちゃってさ。訓練でミスをすると、閉じ込められるんだ。窓のない小さな部屋に。ここと同じように暗くて狭くて、音も聞こえない場所。そのせいで、静かなところがダメなんだ。いつもは寝る時も音楽をかけてるんだけど。ポータブルプレーヤーも取られちゃったから。ちょっと今怖いかもしれない。えっ。あの…なんで抱き締めてくれたの？嫌じゃないよ。すごく嬉しい。少し落ち着いた。ん？うん、君が眠っている間もずっと怯えてた。そんな、君を無理矢理起こすなんてできないよ。目が覚めたら、こんなに狭くて暗い場所だよ。きっと君は怯えてしまう。それなら、眠ったままのほうがいいじゃないか。どうしたの？顔が見えないから、しゃべってくれないと分からないよ。えっ。いや、お礼を言われるようなことしてないと思うんだけど。俺のこと、怖かったんじゃないの？もう平気？どうしちゃったのかな。つい何時間か前までは君に触れられるってだけで有頂天になってたのに、今はなんだか意識してしまって。変だね、俺。ね、俺からも抱き締めていい？君の体、小さくて温かい。ほっとする。君もこうしてたら、少しは怖くない？うん、そっか。っ、車が減速した。停車するのかもしれない。チャンスだ。奴らはきっとトランクを開ける。その瞬間一気に飛び出よう。大丈夫だよ、きっと俺がなんとかするから。俺を信じて。本当に？本当に信じてくれるの？ありがとう。大丈夫、必ず君を守ってみせる。止まった。近付いてくる。それじゃ、ひと暴れしようか。はあ！もう一人！よし。しまった！もう一人。っ、お嬢さん。驚いた。その傘、どこにあったの？ふふ、いい   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   だね。全力で殴る姿、格好良かったよ。そこで伸びてる彼もトランクに置いといた傘が使われるとは思わなかったろうね。はは、咄嗟に男一人を倒しちゃうなんてやっぱり君はファーザーのお嬢さんだな。ふふ、はは～よし。こうして縛っておけば、追いかけて来られないかな。彼らがロープまで持っててくれてよかったよ。あとは取られたものが全部揃っていればいいけど。俺のスマホやポータブルプレーヤーはあるけど、手錠の鍵がない。必要ないと思って、どこかに捨てたのか。そんな絶望的な顔しないでよ。技術を持った人がいれば、外せるものだから。ことが片付いたら、外そう。うん、いい子。そう言えば、現在地を調べておかないと。ああ、ピサの近くみたいだ。やっぱり俺たちを海に沈めるつもりだったのかな。ごめん。少し待ってて。仲間たちに連絡をしておく。きっと心配してるだろうから。こちらネロ。報告が遅くなってごめん。ん？どうしたんだ。電波が乱れてる。声もノイズっぽいし、何かあったのか？えっ、ミラノ？ごめん、よく聞こえない。切れちゃった。いや、どうも電波が悪かったみたい。そんなはずないんだけどな。ジャックされないように端末を弄ってあるし。うん、少し心配だけど、彼らだったらおかしなことにはならないと思う。俺たちは俺たちにできることをやろう。ミラノに行けって指示だった。ひとまず向かうしかないな。ふふ、大丈夫だよ。ローマに仕掛けられた爆弾だって、きっとすぐに見つかる。ね、せっかくミラノに行けるんだ。楽しいことを考えようよ。どこか見てみたい場所はない？スカラ座？あれ、君、オペラとかあまり詳しいほうじゃないのに？うん、そりゃ知ってるよ。君のことなら、何でも。で、どうして？えっ、プロポーズした場所？君のお父さんってことはファーザーだよね。あのファーザーが好きな人に思いを告げた場所か。はは、素敵な話だね。二人の思い出の場所だなんて。じゃ、いろいろ片付いたら、スカラ座に行こうか。連れてってあげるよ。必ず。さあ、先を急ごう。

26：Tiffany drlla iena

午後５時ミラノ市街、２６時間経過。ミラノに来るのも久しぶりだな。時間はかかったけど、無事に着いてよかった。でも、道中に何も仕掛けてこないなんて意外だったな。あ、ごめんね、電話だ。はい、こちらネロ。また電波が悪いみたいだけど、大丈夫？こっちはいろいろあったけど、ミラノに着いたよ。彼女も無事。ローマは？よかった。さすがだね。それなら、もう安心だ。うん。ああ、分かった。少しゆっくりしてから戻るよ。じゃ、また。うん、ローマに仕掛けられた爆弾は無事処理されたって。これでもう心配要らない。って、お嬢さん！っと、大丈夫？安心したら、気が抜けた？よく頑張ったね。あっちは後始末が少し残ってるみたい。だから、今日明日はミラノにいてほしいって。今日はひとまずホテルでも取って、泊まろうか。ホテルを探しがてら、少しミラノの街を歩かない？ずっと逃げ続けていたんだ。心を解したほうがいいよ。うん。じゃ、行こう。このアクセサリー可愛いね。こっちの色とか、君好きだよね。もちろん知ってるよ、君の好みなら。おっ、この髪留めも好きそう。ふふ、やっぱり。ね、付けてあげる。いいから。先の尖ったデザインだし、間違って傷付いたら困るよ。じっとして。うん、可愛い。似合ってる。これ、買って行こうか。いいんだ。プレゼントさせてよ。そういうのやってみたかったんだ。ね、このあと映画でも見に行かない？あとは君の行きたがっていたスカラ座も。ああ、スカラ座はチケットが取れないかな。席が空いてないか、確認するだけでも行ってみようか。運が良ければ、オペラを観られるし。ふふ、うん。それじゃ、行こう。なんだかデートみたいだ。

午後８時ミラノ市街、２９時間経過。あ。ね、見て。あそこにバールがある。ちょうど小腹も空いたし、お茶して行こうよ。いいね、ここ。オープンテラスだから、向こうに大聖堂が見える。さっきの映画、面白かったね。知らずに見たら爆弾もののパニックアクションで、思わず苦笑いしたけど。ほら、あのシーン、主人公の男が恋人と一緒に爆弾の解体に挑む。最後に残ったのは赤と青のライン。もし誤った方を切れば、即爆発する。彼らは青い方を切った。二人の赤い糸を切りたくなかったから。分かる気がするな。俺だって、繋がった糸を切るなんてきっとできないから。この手錠みたいに。ん？ううん、何でもない。それよりよかったよね、スカラ座。明日の午後だけど、チケットが取れて。いいんだよ。ローマにはオペラを観てから戻ればいいんだし。それに俺も君と一緒にスカラ座に行ってみたいし。それより注文しようか。君は何にする？あっ、ジェラートもあるね。ピスタチオ味、頼む？ん？ああ、君の好みなら、何でも知ってるよ。長年見てきたから。妙な顔して、どうしたの？そうなの？俺のやり方って、何か変？気になる子の好みを知ってるのって普通だと思うんだけど。普通は一緒に過ごす中で分かるものなんだ。俺の場合、君に必要以上近寄れなかったからな。でも、これからは君から直接好みを聞くことができるね。ああ、いや、この任務が終わったら、一緒にいる必要はなくなっちゃうから。そんなこともできなくなるのかな。ごめん。変な空気になって。早く注文しちゃおう。俺はこれにしようかな。フルッティディボスコ、森の果実だって。俺、フルーツ好きなんだよ。君も決めた？えっ、俺と同じのでいいの？あ…ううん、いいよ。もちろん。少し照れくさかっただけだから。そうだね。こうやって話をして、お互いの好きなものを知っていくのっていいもんだね。ふふ。このフルッティディボスコ二つ、あと紅茶も二つで。ふふ、やっぱりなんだかデートみたいだな。ね、本当に恋人同士のデートだったら、ほかにどんなことやるのかな。やっぱりキスしたりとかするの？そっか。じゃ、俺たちも試してみようか。ん？ふん、なんてね。冗談だよ。ふふ、ごめんごめん。ふふ、はは、はは～ん？どうしたの？そんなにじっと見て。っ…そうだね。今自分でも驚いた。俺ってこんなふうに笑うんだ。君といると、楽しい。自然と笑顔になれる。うまく言えないけど、俺の中で歪んでねじ曲がっていたものが元に戻っていくような、そんな気がする。リストランテで食事したり、美術館を巡ったり、そういうのそれこそ映画の中だけの出来事だと思ってた。少なくとも自分とは関係のない世界の話だって。だから今夢見てるみたいだ。君とのデートももう終わりだね。食事を摂ったら、ホテルに戻ろうか。今夜はゆっくり寝とこう。ふふ、ああ、そうだね。手錠があるから、部屋も一緒だし、ベッドもシャワーも一緒になるかな。心配しないで。変なことはしないから。抱き締めたり、キスしたりするかもしれないけど、それ以上のことはしないよ。あれ、その顔…俺、また変なことを言った？

44：La Scala

午前１１時ミラノ市街、４４時間経過。いい天気だな。青い空に白亜の大聖堂がよく映える。どうしたの？もしかして昨日の夜のこと、まだ怒ってる？約束通り抱き締めてキスしただけなのに。ほら、笑って。あんまり唇を尖がらせてると、キスしたくなってしまう。ふふ、冗談だよ。食事をしてから、向かおうか。もちろん約束通り、スカラ座に。

午後２時４０分スカラ座、４７時間４０分経過。えっと、座席は…あった。ここだ。開演まであと２０分か。ちょうどいい時間だったね。スカラ座って初めて来たけど、すごいね。客席とかどれくらいの数あるんだろう。ふふ、ファーザーが自分の好きな子にプロポーズした場所だと思うと、さらに特別な感じがするよ。ファーザーは君のお母さんと出会って、お互いのことを知って、そのうち好きになっていったんだろうね。そういうの少し羨ましいかもしれない。誰かと繋がっていられるってそれだけで幸福なことだから。っ、電話だ。まったく、もうすぐ開演だってのに。はい、ネロだけど。ごめん、急ぎじゃなければかけ直すから。っ、いや。いい。このまま話がしたい。誰だ。なぜこの番号を知っている。あいにくだけど、ローマの爆弾は処理したよ。俺の仲間がね。お前たちの計画はぶっ潰れた。とっとと犬小屋に逃げ帰りなよ。っ、どういうことだ。なんでミラノにいるって分かった。まさか…っ。くっ…くっそ。わざわざスカラ座までご苦労様。暴れるつもりはないよ。撃ち抜かれたくないし。お前がコートの下からこっちに何を向けてるかくらい分かってる。下手に動けば、無関係の人たちも撃ち殺すつもりだろう。胸糞悪いやり方だな。うちのお嬢さんはそういうのが嫌いなんだ。頼むから、穏便にしてくれ。分かったよ。大人しく移動する。ごめん、お嬢さん。ここは言う通りにしよう。罠だったんだよ。最初からローマに爆弾なんてなかったんだ。そうやって脅せば、俺たちが安全な場所に逃げるのは目に見えてる。追いかけて、あとは誘導すればいい。仲間のフリをして。あの時だ。車のトランクに閉じ込められた時。スマートホンに細工をされたんだ。爆弾を処理したって電話も嘘だ。ミラノを楽しんでこいなんて、今思えばおかし過ぎる。誘き出されたんだ。このミラノに。理由はさっきご丁寧に電話で教えてくれたよ。爆弾があったのはローマなんかじゃない。ここだよ。ミラノのスカラ座だ。

48：Cortile

午後２時５０分スカラ座バックヤード、爆発まであと１０分。くっ…わざわざ縛り付けて放置するなんて悪趣味な奴らだ。抜け出せそうにない。お嬢さん、大丈夫？無理しなくていいよ。震えてる。これはアンフィスバエナに対しての見せしめだ。銃弾で撃たれて死んだなんていうより、時限爆弾で最後の１秒まで泣き叫んで死んだって言われたほうがダメージは大きい。だから俺たちをここに縛り付けたんだよ。爆弾の目の前に。ファーザーのお嬢さんが壮絶な死を迎えるのを奴らは望んでる。そのための舞台なんだよ、ここは。ごめん。浮かれていたんだ、君と一緒にいられて。普段ならこんなヘマしないのに。違うよ。君のせいじゃない。そうじゃなくて、俺が…俺が調子を狂わせたせいだよ。君と一緒にいると、どうしてか落ち着かなくなる。ちょっとしたことで浮かれてしまう。でも、それを悪いことだとは思えなかったんだ。今まで生きてきて、一度だってこんな気分になったことはなかった。すごく幸せなんだよ、こんなふうに感じ取れることが。だから、この気持ちをなくしたくない。あと８分か。ね、好きだよ。君のことが好きだ。違うよ。死ぬ覚悟がついたから言ってるんじゃない。君を守り抜いて、その先もずっとそばにいたいから。だから、伝えたんだ。絶対に守り抜くっていう約束として。約束を破って、女の子を泣かせたりしない。そんなイタリアーナの風上にも置けないことはしないよ。だから応えてくれるかな、俺の気持ちに。君を愛してるんだ。ありがとう。その言葉だけで、君と気持ちが繋がっているってだけで何だってできそうな気がする。約束したからには、生き残らなきゃね。お嬢さん、髪留め貸して。ちょっと汚しちゃうかもしれないから、また新しいのを買ってあげるね。この先端うまくすれば、ナイフ代わりになりそうだから。これでロープを切る。くっ…大丈夫。これで引きちぎれば。よし、切れた。痛っ…ちょっと脇腹も刺しちゃったけど。平気だよ。このくらい勢い付けなきゃ切れなさそうだったから。俺はいいから、早く爆弾を。これはもう逃げる暇なんてない。解体するしかない。

午後２時５５分爆発まで残り５分。蓋、螺子で留められてる。くっそ。舞台用の道具？そうか。ドライバーくらいあるかもしれない。探してみよう。

午後２時５７分爆発まで残り３分。螺子はこれでよし。蓋を開けるよ。あとは中の導線を切れば。っ、これって。

午後２時５８分爆発まで残り２分。さっきの映画だと爆弾の導線は赤と青の２本。縁を切らないために赤い線を残しておくのが正解だった。でも、今回は全部赤。それも１本や２本じゃない。なんでこんなにたくさん。これ、どうすればいいんだ。人間の処分なら得意だけど、爆弾の処分なんてやったことないんだよ。どれを切ればいいんだ。どうすれば…っ、お嬢さん。ありがとう。励ましてくれて。でも、手、震えてる。俺も一緒だよ。怖い。でも、君がそばにいるんだ。諦めるわけにはいかない。好きな子の前で情けない顔はできないよ。ね、俺に君の命、預けてくれる？分かった。だったら、もう迷わないよ。これが全部あの映画みたいに君と繋がる線だとしたら、俺の答えはこうだ。この赤い線、全部切る！止まった。よかった。ん？いや、正解なんて分からなかったよ。ただ、これが本当に俺と君を繋ぐ線だとしたら、全部切っても大丈夫だと思ったんだ。こんなもので結ばれてなくたって、気持ちが繋がってれば大丈夫だから。そう思えたんだ。君と一緒に過ごしていて。あっ…ふふ、君から抱き付いてくるなんて、そんなことしていいの？もう離さないよ。そう。じゃ、二度と離さない。ずっと、ね。で、こうしてはいられないな。爆発しなかったと知ったら、あの連中絶対やってくるよ。ここで逃げるのも癪だね。お嬢さんをこんな目に遭わせたんだ。少しやり返さないと気が済まないよ。それにせっかくのオペラが観られなかったんだ。その分の報復はしておかないとね。確かこのバックヤード、マネキンがあったよね。なんだ、やっと来たんだ。残念だったな。爆弾は無効化したよ。この通り、俺もお嬢さんも生きてる。ただ、見てよ。この通り、死にそうな思いをしたせいでお嬢さんはぐったりだよ。可哀相に。俺が抱き上げていなきゃいけないくらい弱ってる。こんなところで撃つつもりか。それより、いいことを教えてあげようか。舞台裏では頭上注意ってね。お嬢さん、いいよ。落として！はは、梁の上にあった荷物、直撃を食らうと結構痛いよね。まだ動けそうだから、ロープで縛っておこうかな。お嬢さんが上にいると思わなかったみたいだね。俺が抱えてたのはマネキンだよ。毛布に包んでたから、分からなかったみたいだけど。なに、驚いた顔して。ああ、手錠が外れてて驚いた。さあ、なんで外せたんだろうね。

午後３時ミラノ市街、時間は巻き戻って４８時間経過した頃。確かこのバックヤード、マネキンがあったよね。それをお嬢さんに見立てて、俺と繋いでおくってどうかな。で、俺が囮になっているうちに本物のお嬢さんはこの上に。あの梁にある荷物、何でもいいから奴らの上に落として。敵を無力化してほしいんだ。ん？この手錠なら、外れるよ。えっと、さっきの髪留め、どこに落としたっけ。あ、あった。これなら先端が細いから。ピッキングは得意なんだよ。施設で何度も逃げ出したくて、試してたから。ほらね。ん？お嬢さん、口が開いてるよ。どうしたの？嫌だな。鍵を取られたからって、手錠が外せないわけじゃないよ。ただ君と離れたくなかっただけなんだから。ああ、そんな座り込まないでってば。もう。分かってるよ。ごめんね。無理矢理繋ぎ止めて。でも、もういいんだ。離れていたって、不安なんかない。ようやくそう思えた。ね、お嬢さん。手錠なんかなくても、俺の隣にいてくれないかな。明るくて優しくて綺麗で、俺とは違う世界に住む人そうやってずっと憧れてきた。でも今はもっと身近な大切な人だと思ってる。いや、思えるようになったんだ。彼女のそばで真正面から向き合うようになったから。だからもう手錠は要らないんだよ。って、お前たちに言っても仕方ないか。しばらくここにいるといいよ。じきにアンフィスバエナの人間が迎えに来るから。お礼がいろいろあるんだ。しっかり受け取ってよ。お嬢さん、迎えに行くから。梁の上から動かないでね。さあ、帰ろう。

49：Epilogo

午後４時ミラノ市街のホテル。仲間から連絡があったよ。彼奴らを無事捕らえたって。君にはローマ行きの列車を用意してもらったよ。出発は夜になる。アンフィスバエナに戻ったら、次のファーザーを選んでもらう手筈だ。そうすれば、この騒ぎもおしまいだよ。ようやく終わったね。君といられて結構楽しかったから、少し寂しいな。なんて言ったら怒る？ふふ。うん、ありがとう。ね、さっきのって有効？爆弾を目の前にしていた時告白したつもりだったんだけど、本当に俺のこと好きになってくれた？じゃ、これからもそばにいていい？一緒にデートしたり、映画を見たり、ご飯を食べたり、君と一緒に過ごしてもいいかな。ありがとう。君を遠くから見守っていられるだけで、満足だった。一方通行でも構わない。それが俺の愛情の形だと思ってた。だけど、今は君に触れたくてしょうがない。いいかな。もう少し近くに感じても。ダメ、もう一回。どうしよう。泣きそうだ。君に触れることができて嬉しいのに、なんだか胸が詰まってすごく切ない。こら、横を向かない。ちゃんと俺の方を見て。でないよ、こうするよ。じっとして。君の耳、柔らかい。唇とどっちが柔らかいだろう。もう少し確かめてみないと、分からないな。こっちも頂戴。ふふ、耳の裏まで真っ赤になってる。君、ここが感じやすいんだね。しっかり覚えとくよ。だんだん体の力が抜けてきたね。どうして？答えられないなら、俺が代わりに言ってあげようか。俺のキスに感じてる。もっとしてほしいと思ってる。だから、抵抗しないんだろう。言い訳は聞かないよ。答えはここに直接聞くから。君が嫌じゃないなら、もっと可愛がってあげる。唇や耳だけじゃなく体の隅々まで君のこと全部もらうから。覚悟しておいてね。ダメだよ。逃がさない。ふふ、そばにいてくれるって約束したじゃないか。君のこと離しはしないよ。むしろ離れたくないって言わせてみせるね。君が素直におねだりしてくれるまで一生懸命思いを伝えるから。ん？列車の時間ならまだ大丈夫だよ。むしろ乗り遅れてもいいんじゃないかな。そうしたら、もう一泊ミラノを楽しまないと。ね。

数ヶ月後午後３時ミラノ市街。はい、君の分のジェラート。歩きながら食べようか。ん～ようやくミラノで君とデートできたよ。もっと早く来たかったけど、この数ヶ月忙しかったね。ああ、心配しなくてもこっちは順調だよ。君が次のファーザーを指名してくれたから、組織も   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   してきてる。俺も今まで以上に頑張らないとな。君が見ている前で情けないことはできないからね。こんなふうに君と恋人になれる日が来るなんて思わなかった。俺には手の届かない場所だと思っていたけど、今は違う。なんだかようやくあの暗くて狭い部屋から出られたような気がするよ。君のおかげでやっと光の下に出てこられた。目が慣れるまではもう少しかかるかもしれないけれど。君がいてくれれば、何も怖くはない。心からそう思うよ。あっ、ジェラート溶けそうだよ。ほら、そこ、そこだって。ちょっとこっち来て。なんてね。ふふ、捕まえた。ふふ、また赤くなってる。キスなんてもう何度もしてるだろう？どうして毎回そんな反応をするの？君の唇いつにもまして甘い。チョコとイチゴの甘い味がして、頭の芯まで蕩けそうだ。ふふ、照れないでよ。俺の恋人は相変わらず可愛いな。ね、このあとスカラ座に行かない？あの時ちゃんと観られなかったから。うん、舞台を一緒に観よう。それでそのあと伝えたいことがあるんだ。ん？何かはその時のお楽しみ。でも君だったら、分かってるんじゃないのかな。ふふ。もう一生君を離さない。束縛したいからじゃないよ。この手で君を幸せにするために。だけどもし浮気なんかしたら、その時は手錠で繋ぐどころじゃ済まないから。覚えておいてね。ふふ。愛してるよ。いつまでも、ずっと。どんな困難が起きようと、この先何が待ち構えていようと絶対に君を離さない。永遠に君を愛してる。(^з^)-☆

jilav4 · 发表于 2015-3-11 13:26:12

亲的台本每次都出得好快啊.每次都默默的看着亲的原创台本，虽然不怎么留言但是心里满满都是佩服，给我们这些初学者很大的帮助呀。

薄c · 发表于 2015-3-15 05:26:37

日语渣终于决定要好好锻炼听力了，选了最喜欢的平子的全0抓，这篇我听过，大致好像懂了（好吧，这是个谎言），谢谢菇凉有爱的台本，真的是太厉害了，我以后也要像菇凉这么厉害，我要听radio啊，就从这里一点一点开始吧yct15

TVhXNFM= · 发表于 2015-9-6 14:19:32

OMG，局然有台本，實在太厲害了啊!!!
這個系列的前面幾張我都要聽好幾次><"""
常常聽一聽就閃神，應該說聽到不懂的地方
就放空，在回來的時候我就不知道前面乒乒乓乓
到底是發生什麼事>'''<
雖然聽力是有上升，但要我打出來實在是不可能的事
基本上日語打字是小白(喂
這張我可以看台本聽了~喔耶
非常感謝分享>//////<

falla5 · 发表于 2016-5-28 23:30:28

厉害！感谢姑娘！我可以对着听然后查字典了！

可可a · 发表于 2020-10-13 20:13:10

诶诶居然是台本吗日语原来的样子吗太厉害了吧lz 非常感谢其实这一本是讲什么我都不了解不过既然是平川大辅又有台本就产生了兴趣呢

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[〖全年龄〗] 【原創】カレと48時間逃亡するCD「クリミナーレ! 」Vol.5 ネロ CV.平川大輔［本篇台本翻訳無］

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